初心者のためのインターバル走:ゼロから始めて、続けるコツ
ランニングとの出会いは、多くの場合こんな感じです。外に出て走り出し、数分で息が上がり、脚が重くなる。そして「もう一度やろう」という気持ちも一緒に消えてしまう。
問題はたいてい意志の強さではありません。始め方が急すぎただけです。
初心者向けのインターバル走は、ずっとやさしい仕組みです。短いランのあとにウォークを入れ、また走る。それを繰り返します。ここでのウォークは「ギブアップ」でも「走れなかった」でもありません。最初から計画に組み込まれた、トレーニングの一部です。
こうすれば体が負荷に慣れる時間を確保でき、呼吸が「生き残るための戦い」になることもありません。最初のランのあとに残るのは「もう無理」ではなく、「まだいけそう」という感覚です。
このやり方がなぜうまくいくのか、そして1週間後にランニングシューズが靴箱の奥に眠ってしまわないように、ゼロからどう走り始めればいいのかを見ていきましょう。
ランとウォークが走り始めに向いている理由
初心者の「体の感覚」は、ときどき当てになりません。
心肺機能は、靱帯や腱、関節よりも早く負荷に慣れます。そのため「呼吸はまだ大丈夫だから、もう1km走れそう」と感じることがあります。ところが脚のほうは、その考えにまだまったく賛成していません。
初日から長い時間走り続けようとすると、組織が適応するよりも早く負荷が増えてしまうことがあります。そこでよくあるのが、すねや膝が痛くなり、「やっぱり自分にランニングは向いていない」とすぐに結論を出してしまうパターンです。
ランとウォークを交互にすると、スタートがやわらかくなります。ラン区間で負荷をかけ、ウォークでトレーニングの途中に小さな休息を入れる。その結果、最後の数分をただ耐えるような状態にならずに、より長く体を動かせます。
心理的な効果も大きいものです。「このあとウォークがある」とわかっていれば、1分間走るのはずっと楽になります。トレーニングは長い試練ではなく、無理なくこなせる小さなステップの集まりになります。
ランとウォークは新しいアイデアではない
計画的にウォークを挟む方法を広く普及させたのは、アメリカのコーチで1972年のオリンピック選手でもあるジェフ・ギャロウェイです。
彼の考え方はシンプルです。力を使い切ってから歩くのではなく、まだ余裕があるうちに、あらかじめ歩く。そうすればウォークは非常手段ではなく、負荷をコントロールするための道具になります。
現在の初心者向けプログラムも、同じような考え方で作られています。たとえばイギリスの国民保健サービス(NHS)の「Couch to 5K」プランは、ウォークをはさんだ短いランから始まります。
ここが大切なポイントです。ゼロから始める人が、いきなり20分や30分続けて走れる必要はまったくありません。少しずつそこを目指せばいいのです。
研究が示していること
「本格的なランニングは長い距離からしか始まらない」と思っている人に、うれしいニュースがあります。
Journal of the American College of Cardiologyに掲載された大規模な研究では、5万5千人を超える人のデータが分析されました。走っている人は走らない人に比べて、あらゆる原因による死亡リスクが約30%、心血管疾患による死亡リスクが約45%低いという結果でした。
しかもこの関係は、少しだけ、ゆっくり走っている人にも見られました。
Harvard Healthはこのデータについて、ゆっくりしたペースで1日5〜10分走るだけでも効果が見られたと解説しています。
つまり初心者は、いきなり大きな挑戦をする必要はありません。短いランにも意味があります。
ただし、これらの数字を「約束」と受け取らないことが大切です。研究が示しているのは関連であり、一人ひとりに特定の結果を保証するものではありません。ランニングは病気を治すものではなく、睡眠や食事、体質など、ほかの健康要因を置き換えるものでもありません。
それでも結論はうれしいものです。適度で規則的な運動は、ちゃんと意味があります。
ゼロから走り始めるには
最初の数週間は、スピード練習ではなく、体に新しい負荷を覚えてもらう期間だと考えるのがおすすめです。
シンプルで実践しやすい組み立ては、たとえばこうです。
- 週3回。連続した日ではなく、間に休養日をはさみます。
- 短い区間から始めます。たとえば「1分の軽いラン+1分30秒のウォーク」を数回繰り返します。
- 負荷は少しずつ増やします。ラン区間を少しずつ長くし、ウォークを短くしていきます。
- ペースを追いかけないこと。走りながら会話ができるくらいがよい目安です。言葉が途切れ途切れになるなら、たぶんスピードが速すぎます。
- 距離より、続けることを大切に。最初は1週目に自己ベストを出すより、次のトレーニングに無理なく出かけられることのほうが大事です。
最初の数回の目的は「もうランナーになった」と証明することではありません。体を負荷に慣れさせ、次のランに気合いや根性がいらない状態をつくることです。
すぐにランニングをやめてしまう原因になりがちな失敗
初心者がつまずくポイントは、だいたい同じです。
飛ばしすぎる。
走り始めの数分は、体が元気なのを「速く走れる」と勘違いしがちです。でも今の目的は、ペースアプリを驚かせることではなく、余裕を残してトレーニングを終えることです。
連日トレーニングしすぎる。
回復は「本番」のあいだの休憩ではありません。トレーニングの一部です。
痛みをがまんする。
新しい負荷のあとに筋肉が疲れたり張ったりすることはあります。でも、関節や腱の鋭い痛みや、だんだん強くなる痛みは、根性を見せるべき場面ではありません。
他人と比べる。
他の人の5km、ペース、ランのスクリーンショットは、あなたがどこから始めるべきかについて何も教えてくれません。
1回うまくいかなかった=「自分は走れない」。
寝不足だった、暑かった、風が強かった、ただ調子が出ない日だった――そんな日もあります。悪いトレーニングは、ただの1回の悪いトレーニング。診断結果ではありません。
1週間でやめないために
ここで役に立つのは、性格の強さよりも「迷わなくていい仕組み」です。
毎回「いつ歩くか」「あとどれくらい走るか」「そろそろやめるべきか」を自分で決めなければならないと、トレーニングは頭の中での交渉の連続になってしまいます。
あらかじめ組み立てを決めておくほうが、ずっと楽です。たとえば「1分ラン、1分30秒ウォーク」と決めたら、あとはそれに従うだけ。
そんなときに便利なのがインターバルタイマーです。区間の時間を数え、切り替えのタイミングを知らせてくれます。
Ekiroでは、自分だけのラン&ウォークの組み立てを作ることも、用意されたトレーニングを選ぶこともできます。あとはアプリが時間を管理し、切り替えのタイミングを知らせます。秒数を数えたり、画面を何度も見たりする必要はありません。
トレーニング中にあれこれ管理しないほうが、かえって最後まで気持ちよく走りきれる。まさにそんなケースです。
まとめ
ゼロから走り始めるなら、いきなり長く走れるようになる必要はありません。
短いインターバルから始めましょう。ランとウォークを交互に。回復の日をとって、ペースはゆっくりめに。今の負荷がきつく感じなくなってから、少しずつ増やしていきます。
ランニングは、持久力の試験でなくなったとき、ずっと楽しいものになります。
そして、いちばんいい最初のトレーニングは、やっとの思いで家にたどり着くようなものではなく、「また走りに行きたい」と思えるものなのかもしれません。
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の助言ではありません。定期的な運動を始める前に、特に持病、ケガ、心臓の問題がある場合、妊娠中の場合、長期間運動していなかった場合は、医師に相談してください。